2011/05/02

黒い悪魔によるテロは許されることなのか

ウサマ・ビンラディン氏が殺害されたとの情報があった.

この件は,喜ぶべきニュースなのだろうか.

私にはその答えが分からない.

最初に断っておくが,ビンラディン氏が主導権を取ったとされる,911は許されざる行為であると断言する.

矛先が向けられたのは,無垢なアメリカ合衆国国民,およびアメリカに滞在していた庶民であって,決してその生命が軽んじられるような人たちではなかったのである.彼らを大量に虐殺した罪は重い.

しかし,ビンラディン氏らが置かれた状況を考えると,彼らの行動にもそれなりの「理」はあるのである.

まず,アメリカによるアフガニスタン攻撃に一片の正当性もないという事実が挙げられる.

911の後,アメリカは,ビンラディン氏らが911という大量虐殺に関わったという証拠を提示し,まずはタリバン側に交渉を申し入れるべきであった.

アメリカによる一連の行動は,911を利用し,自国の利益を増大させるためだけに存在している.現に,アフガニスタン攻撃やアメリカによる911以後の行動は,アメリカの利益になるためだけに存在している.

アフガニスタンを攻撃し,無垢な人民を大量虐殺している現実を踏まえれば,悪質なテロ国家はアメリカ合衆国であって,アフガニスタンではないということは明白である.

さらに,この一連の騒動の原因は全てアメリカにあるというのも看過できない.

イスラムでのテロを援助し,先導してきたのは他ならぬCIAであり,これらの活動は全てアメリカ合衆国の外向的・経済的利益のために存在してきたものであり,タリバンはアメリカ合衆国が養成してきたものであると断言できる.

また,アメリカ合衆国の大本営発表によれば,911は文明の衝突であるということであるが,これも言わばレトリックに過ぎない.

アメリカの自国の政策を正当化するための詭弁でしかない.

ソ連の崩壊により,冷戦が終了し,アメリカは今までの政策を継続する口実を必要とし,その一つとしてイスラム国家との戦いをでっちあげたのである.

現に「アメリカ」という枠を外せば,世界的規模において,文明の衝突など起こっていないということは明白であるはずである.

世界で最も原理主義的なイスラム国家はサウジアラビアであり,最も大きなムスリム国家はインドネシアである.

しかしながら,これらの国家が世界中で紛争を引き起こしているというニュースは,少なくとも日本,アメリカ,イギリスにいて耳にするということはない.

なぜなら,この両国はアメリカに優遇されている寵愛国家であり,アメリカの支援を受けているがゆえにテロ国家ではないと認定されているのである.

実際,インドネシアではスハルトによる大規模な虐殺などが起こっているのにも関わらず,である.

自称,「世界の警察」であるアメリカがこれを見逃す理由など一つしかない.

単に,自分たちの言うことを聞く傀儡であるからというだけのことである.

それだけだ.

正義を貫いているからなどということは決してない.

結論に入る.

黒い悪魔,オバマに告げる.

今回のビンラディン氏殺害は,アメリカによる正義が遂行されたということを意味しない.

それは,強者の論理以外の何者でもないのである.

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