2011/02/18

現実と向き合えるか

入試の合格判定会議が終わりました.

大学の入試難易度が大幅に下がったという話は枚挙に暇がないのだけれど,うちのような中堅校でもいろいろと大変なことがあるということが骨身に染みてよく分かった.

正直に言って,北海道の大学偏差値に関して,あまりリアルな数字を知っていなかったというのもある.

例えば,人文系で考えてみると.

予備校によりばらつきはあるが,北海道大学の文学部では偏差値60ないしは58といったところで入学が可能なようである.代ゼミによれば,センター試験で77%を取ればOKという案配.

センター試験で80%を切っているのに,旧帝大に受かるんだというのも今更ながら驚愕の数値である.しかも,昨今のこれ以上ないくらい易化した問題なのだから,20世紀に受験生をしていた人たちにとっては信じられない数値であろう.

さらに,北海道のような地方だと,教育大学の人気もけっこうある.

教育大学が国立大学の中では一番入学が容易であるということくらいは知っていたつもりなのだが,北海道教育大学の国語教育ないしは英語教育は,代ゼミ査定でセンター試験で63%を取ればそれで合格圏内であるらしい.

まさか,センター試験で7割を切っているのに合格できる国立大学が琉球大学以外にあるだなんて予想だにしていませんでした.

さらには,本州では,「とにかく国公立大学に行きたい人の最後の砦」と揶揄される小樽商科大学が,北海道では「樽商」と呼ばれ,一定のステータスがあるという事実.

入学偏差値は55ないしは54という評価.本州では,「容易」とされる基準だが,北海道では「難関」という評価なのである.

私立大学は,これら国公立大学に引っかからなかった人たちの間で受験生を奪い合うわけであるから,その難易度は推して知るべしである.北星学園大学の英文科という例外を除けば,偏差値は50あれば御の字という世界の戦いなのである.

入学試験の出来を見れば分かるが,「大学」という水準を保つためには,定員を削減するというオプションも今後の大学は考える必要があるように思える.

もちろん,この選択は望ましいものではない.

学生数が減るわけであるから,収入も減るわけである.しかしながら,入学定員を絞り込むことによって,ある程度の教育水準を担保することはできるわけだし,優秀な卒業生をコンスタントに送り込むことができれば,入学定員を少ない数で維持することは十分可能である.

現実的にこの方向に大学経営は舵を取らないであろう.何せ,減った収入分は教職員にしわ寄せがくるわけであるから,収入も学生定員に合わせて削減する必要がある.

しかし,それでも,「さすがにこの水準の学生を入れてはならないだろう」という現実と照らし合わせて,今後も続く少子化時代を大学がいかに生き延びていくのかを真剣に考える必要は大いにある.

顧客のパイが減っているということだけは確実なのであるから,「質を保つ」という観点と「収入を保つ」という観点の両方を維持するバランス感覚については,十分に考慮していかねばならない.

大学も,大学教員も淘汰される時代に入っているんだろうな.

0 件のコメント:

コメントを投稿