2011/02/06

エジプト情勢

テレビをあんまり見ないので,日本の報道がいまいちよく掴めないのだけれど,私は毎日BBCのポッドキャストでglobal newsを聞いているので,少なくともイギリスでは連日BBCでエジプト情勢が報道されているということくらいは知っている.

今日は休みだったのでCNNとNBCのニュースなんかも見ていたのだけれど,アメリカの報道も今やエジプト情勢が中心のようである(当然なのだろうが).

知っての通り,ムバラクはアメリカの傀儡政権代表だったので,そのムバラクが追放されたということは,中東情勢がきな臭くなるということを意味する.

サダトのイスラエルに向けた奇襲により,第四次中東戦争が引き起こされたのと同じく,二度目のオイルショックが起き,再びアメリカを初め世界の経済情勢が悪化する可能性も大きいわけであるから,注目を集めるのも当然である.

New York TimesのJohn Kerry氏による社説によれば,「ムバラクとその一族は,政権を一時放棄することを宣言し,適切に時期大統領が選ばれる選挙を確約する必要がある」というありきたりな意見と共に,アメリカの今後取る立場については,「中東の安定を追い求める犠牲のために,独裁政権に手を貸してきたという事実に目を向け,新しくできる政権確立のためのフェアネスに手を貸し,社会を安定させつつ親米姿勢を保つ努力をするべきである」という内省を促す意見を述べている.

New York Timesが左派で,穏健論を述べる傾向があるということは認めるにしても,アメリカが冷静な立場でいるということがなんとなく分かる記事もある.

Foreign AffairsでCarrie WickhamがThe Muslim Brotherhood After Mubarakで議論しているのだが,ムスリム同胞団は若い知識層により,思想が大きく変化している状態であり,社会主義のように精神の核としてイスラム中心主義を残してはいるものの,政策の実行にあたっては市場経済を認める現実主義であるという旨が述べられている.

ムスリム同胞団は,ムバラク政権下で政治的野心を述べる度に弾圧を受けてきたということもあり,かなり慎重な姿勢を身につけてもいるようである.

どうやら現状を踏まえれば,最悪の情勢になることはどうやら避けられそうであり,ポスト・ムバラク政権は,結局は世俗的な政治と法制を伝統的な枠内に収めて,なんとかやっていけそうな雰囲気は伝わってくる.

今回のエジプト情勢を煽っている勢力の情報源として,facebookが大きな役割を果たしているということは大きく報道されているところであるが,こういった新しいメディアを利用するようになった世代は,けっこう現実主義的で,軍事行動やテロだけで社会が変革できると考えない冷静さを持っているという可能性はけっこう高いような感じがする.

「落としどころ」を計るのに,適切な箇所はどこかを探る情報源として,インターネットは新しい「弁」のような役割を果たしうるディバイスになるのかもしれない.

まぁ,イスラエルの存在がやっかいなのは気になるが.

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